雑記

NHKBS受信料強制徴収は合法との判決!?

堺市で、NHKのBS放送の受信料を払う必要がないかどうかで争われていた裁判で、大阪地裁堺支部は、徴収は合法であり、受信料は払う義務があるとの判断を示したらしい。この判決はほんとうにこれでいいのか? ケーブルテレビを視聴する堺市の男性(40)…

オウム真理教は仏教ではない?

『朝日新聞』大阪版、12月21日朝刊に、「シルクロード・奈良国際シンポジウム2007」という催しの記録が一面全面を割いて紹介されている。発言者の話はそれぞれ面白いが、ひとつだけ「?」となった発言があった。それは榎本文雄大阪大学教授のものだ…

大阪府立大学のシンクタンク化

大阪府知事選に立候補した橋下徹氏曰く、 府立大学をシンクタンク化して連携を取りたいと思っていますが、民間からひくてあまたになる組織にしたい。 http://zakzak.co.jp/gei/2007_12/g2007121222.html 要するに、大学を潰して、仕事の注文請負で生計を立て…

大佛次郎論壇賞とタバコ

12月16日の朝日新聞朝刊に、「第7回 大佛次郎論壇賞」の発表と講評ページがあった。今年の論壇賞は『和解のために』であったが、私が注目したのは、その選考風景の写真である。長い机に十名ほどの選考委員のお偉いさんたちが座っているが、その机の中央…

他者の承認抜きには、存在承認は了解できない

mojimojiさんの「承認は分配できるか(財のように)」という記事のコメント欄で議論が始まり、お返事に「既に承認されて在ることを信じる」を頂き、さらにx0000000000さんの「信仰と信仰のシステム」という記事に議論が続いている。ここで、私の考えを整理し…

英語の支配の件

北海道大学の国際集会で感じたことがある。いま、応用倫理関連の共通語は英語である。だから私もずっと英語の勉強は続けている。また英語が共通語になっているおかげで、学会に来ていた欧州や台湾やアフリカの人たちともコミュニケーションできるというのは…

パーソン論と障害者

北海道大学で開かれている応用倫理国際集会というのに行ってきた。2日間ずっと英語漬けだったので頭がパーになってるが、気づいたことをひとつだけ。英語圏からの学者たち(白人男性がほとんど)のあいだでは、「自己意識と理性ある者のみが人格であり生き…

クレームメーキング

ブログで情報発信していたところ、国会議員から問い合わせがあり、実際に国会質問の参考資料に使われた、という報告がある。 先日、参議院議員である松浦大悟さん(松浦大悟 - Wikipedia)から問い合わせのメールをいただきました。今国会で争点として取り上…

これは真の「生殖の自由」なんだろうか

kanjinaiさんのエントリ「女性型ロボットへの性的欲望の未来」へのブックマークコメントが興味深い。 「個人的には人工子宮を開発してそれを望む女性を出産から解放すべきと思ふ」 「子供が欲しい女性は精子バンクで精子を買えばいいだけですし」 「将来生物…

「働かなくていいよ」って言われてみたい

kanjinaiさんの記事を読みながら、私の周りの女子は「働かなくていいよ」って、言われてみたい子が多いなあ、と思った。私たちの世代は、フェミ以降なので、女性が働いてもよい、という社会環境で育った。だから、結婚するまでは、腰掛だろうがなんだろうが…

フリーターとジェンダー

西田芳正「フリーター問題の背景と若者支援の方策−社会的排除の視点から」『2007年度大阪府立大学人間社会学部公開講座報告要旨集』より、興味深かった文章を引用する。これは20歳、女性、高卒の方へのインタビュー 【相手がフリーターやったら?】 フ…

ホンゲル係数

読んでて、これはあるなあ、と思った話。*1 男性は、心の会計システムにおいて、女性と違う特徴があります。その最たるものは服を費用計上しているところです。だから、できるだけ服には金や時間をかけたがりません。無論例外はありますがね。ただ、大抵の男…

河野哲也「善悪は実在するか」

先日、友人の結婚式に出席してきた。新婦から、両親への挨拶で、彼女は泣きながら「私は父に叱られてばかりでした。そんな父をうとましく思ったこともありました。でも、今は、あれが本当の優しさだったと思います。お父さんありがとう。」と述べていた。高…

愛させる技術

kanjinaiさんが紹介しているように、17歳の女の子の水着DVDが児童ポルノとして摘発された。 http://d.hatena.ne.jp/gordias/20071022/1192991596 私自身、今年の春頃から機を見ては、この問題を友人と議論してきた。しかし、この問題は表現の自由、性の商品…

とうとう摘発!

少女〈合法〉ポルノなるものについて、ずっと問題提起してきた。たとえば、幼い心の商品化なぜ許す―ロリコン社会・犯罪の根源・相次ぐ少女殺害事件 http://d.hatena.ne.jp/kanjinai/20060121/1175002703など。だが反応はきわめてにぶかった。とくに『朝日新…

愛と暴力の間

杉田俊介が、弱者暴力についての批判を書いている。暴力の加害者は、ときに、別の暴力の被害者でありうる。そのとき、加害者は、過去の被害体験を持ち出して、自己のふるった暴力を正当化することがある。そのことについて、杉田さんは、簡潔に述べている。 …

日本における修復的司法の導入開始

web上で、以下のニュースが流れている。 補導少年、被害者と対話 警察庁が来月新制度 反省促す 警察庁は、万引きや傷害などで補導された少年が、被害者と対面し、自分が犯した行為や動機などについて説明する場を設ける新たな立ち直り支援策を導入する。加害…

医療社会学と専門家の権力

font-daさんの「定塚 甫「医者になる前に読む本――『診る人・診られる人へ』」」に関連して。kanjinaiさんの「トランスヒューマニズムの生命倫理」にもすこしだけ関連。医療専門職が、医学という知識を持ち、医療者集団としての医師会を構成することによって…

効率性の位置

eireneさんご紹介の「金子勝の緊急点検・日本のセーフティーネット(四夜連続)」を(3回目、4回目と)見た。金子さんのフィールドワークが(こういう言い方をするのはよくないかもしれない、不謹慎かもしれないが)面白かった。ただ、4回目を見ていると…

価値判断と学問

この共同ブログを開始してもうすぐ半年経とうとするが(早いなぁ…)、改めてこのブログの趣旨を確認すると、「現代社会における正義・テクノロジー・宗教・性などの「解けにくい結び目」を解きほぐすための情報と議論を提供するものである」。つまり、扱うテ…

社会学/社会福祉学/倫理学

三島亜紀子による書評論文「日本の児童虐待問題に関する研究の10年――社会福祉学の研究者v.s.社会学の研究者?」を読んだ。以下の本に所収。福祉社会学研究〈4〉作者: 福祉社会学研究編集委員会出版社/メーカー: 東信堂発売日: 2007/07メディア: 単行本 クリ…

介護におけるジェンダーの問題

今朝のテレビ番組*1で、男性介護士の問題が取り上げられていた。途中から見たので、詳しい事情はわからないが、50〜60代の女性が、自分の母親が男性介護士に排泄の介助をされていることを、不満として訴えていた。*2母親は老人介護施設に入居中である。施設…

『思想地図』(仮題)論文公募

東浩紀&北田暁大ペアが、思想誌を共編で出すそうです。 『思想地図』(仮題)論文公募のお知らせゼロ年代の思想界を担うのはあなただ! 閉塞する論壇に風穴を開ける、未知の才能を待つ!! NHK出版では、批評家の東浩紀氏と社会学者の北田暁大氏の共編で、…

名乗ったつもりはないけれど

x0000000000さんの以下の議論を読んだ。 また、<在りよう>の多様性には、語り得ない部分が必ず残るということも、驚くべきではあるが単純な事実である。たとえば、僕は異性愛者であり、男性であり、障害者であり、関西人であり、…*2。だが、僕は「異性愛者…

戦争を待ちながら

赤木智弘「『丸山真男』をひっぱたきたい」に言及しようかと迷いながら半年が過ぎた。赤城さんは、もうこんな日本は最悪だから、戦争するしかない、みたいなことを綴っている。しかし、最後の部分はこうしめられている。 しかし、それでも、と思う。 それで…

プレッシャー世代

1982年〜87年に生まれた人を「プレッシャー世代」と呼ぼう、という呼びかけをしている記事が話題になっているようだ。 世の中の事象や現象を一言で訳してしまおうというサイトがある。 今回訳されたのは「1982〜87年生まれの世代」を表す言葉。他の世代には…

「正しく生きたい」ということと、「正しくなくても生きられる」ということ。

eireneさんが前に取り上げているWeb評論誌コーラに載っている、野崎泰伸「どのように<倫理>は問われるべきか」を読んだ。何度かこのブログでも取り上げたけれど、以下の部分がまだスッキリ納得いかない。 倫理的に「よく生きる」というのは、私たちが通常…

非物質的労働

アントニオ・ネグリ講演集〈上〉“帝国”とその彼方 (ちくま学芸文庫)作者: アントニオネグリ,Antonio Negri,上村忠男,堤康徳,中村勝己出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/08メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 19回この商品を含むブログ (23件) を見るア…

鼻をすする日本人

終戦記念日を前にふと思い出したこと。ヨーロッパの人と話をしていたときに、その人は、日本人が鼻をすする(ズズーっとか)のは欧州では非常にはしたないことだと思われているというふうに教えてくれた。へー、そうなんだと思ったのだが、日本に帰ってきて…

中国における「死ぬ権利」

China Dailyによると、香港の38歳の男性が、自分の死ぬ権利を主張して大きな話題になっているらしい。この男性は脊髄を損傷して、16年間病院の天井を眺めているだけの人生だとのこと。自分の死ぬ権利を訴えているが、認められていない。ホーキング博士が…