雑記

プロアナビデオとは

8月9日のエントリーで、拒食症サイトが英語圏SNSで流行しているということを紹介した。本日の別の新聞にも同様の記事が出ている。'Social websites like MySpace encourage anorexia', warn charities。この記事を読んでいただくと分かるが、それらSN…

拒食症のSNSがはやっているらしい

BBCサイトによれば、英語圏のSNSで、拒食症のコミュニティが流行しているらしい。もちろん以前からこの種のものはあったが、実名で輪を広げる拒食症コミュニティは、SNSならではであって、注目を集めているとのこと。問題はそのやりとりの内容で、…

『リベラルなナショナリズムとは』

リベラルなナショナリズムとは作者: ヤエルタミール,Yael Tamir,押村高,森分大輔,高橋愛子,森達也出版社/メーカー: 夏目書房発売日: 2006/12/01メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (7件) を見る著者はイスラエル女性学者、平和運動家。分配…

経済財政白書、「負の所得税」構想を提案

格差是正へ支援、経済財政白書が「負の所得税」など提言 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070807it03.htm 内閣府が7日公表した2007年度の年次経済財政報告(経済財政白書)は、格差是正のため低所得者層を支援する新たな制度が必要だと提言し…

妥協するということ

x0000000000さんの貴戸理恵批判を読んでいて、考え込んでしまった。貴戸さんの『フリーターズフリー vol.1 (1)』pp.139-149所収の論文を引用しながら、x0000000000さんはこう批判する。 さらに、水商売をする貴戸に向けた院生の「私にはできない」、あるいは…

マリファナ・大麻はやっぱり危険?

マリファナ・大麻類は、ドラッグのなかでもほとんど危険性がなく、タバコよりもずっと安全ということが言われている。米国や欧州では、かなりの人がこっそりあるいは堂々と使用しているのは衆知の事実だ。日本人でも留学したら使用機会がある。ところで、権…

ずんずん歩くロボットができたらしい

もうひとつ外電。BBCのレポートによると、二足歩行で、人と同じくらいの速度でさっさと歩くロボットが開発されたらしい。欧州の研究チームによるもので、歩行原理がアシモとかとはまったく違って、まず何も考えずに慣性でずんずん歩くが、坂にかかったり…

男は女と同じくらいおしゃべりだ

7月5日発売の米国雑誌「TIME」に、「男は女と同じくらいおしゃべりだ」という記事が載っている。これはこの週の科学誌「SCIENCE」に掲載された論文を紹介したものだ。それによれば、大学生の男女の服に隠しマイクを付けてもらって、ランダムなタイミン…

『難民』とは誰か

昨日、「Women in Struggle パレスチナ・女たちの闘い」上映会に行ってきた。岡真理さんや岡野八代さんもラウンド・トークでいらっしゃって、豪華。 映画の内容自体は、パレスチナ解放闘争を戦う女性たち4人の生活を追い、「証言」でつづるドキュメント。パ…

澤瀉久敬『医学の哲学』

ある方に勧められ、澤瀉久敬さんを読んでみようと思っている。私は恥ずかしながら初耳だったのだが、デカルトやベルクソンなど、フランス哲学の研究者であったようだ。そして、注文した本がこれ。ちょうど、誠信書房からオンデマンド版が出されているようだ…

ブリューゲルとルーベンス

今日が最終日だったので、急いで大阪・中之島にある国立国際美術館の「ベルギー王立美術館展」に行ってきた。すごいお客さんがたくさんいた。大阪の美術ファンってこんなに多いのだろうか。けっこうみんな、しぶい作品を熱心に見ていた。話題の、ブリューゲ…

派遣労働問題

先日、私の携帯電話に知らない番号から電話がかかってきた。出ると、「プレミア・サービスです」という女性の声。怪しんで問いただすと、人材派遣会社の「クリスタルサービス」が社名を変更したらしい。 「ああ、『クリスタル』が名前を変えたんですか?」 …

自然科学とリベラルアーツの統合:このままでは無理

「"自然科学"と"リベラル・アーツ"を 統合する会」というものが、多田富雄先生によって設立されたというのを新聞で読んで、そのサイトを訪れてみた。http://www.insla.jp/多田先生はかつてNHKで対談させてもらったこともあるし、共著もあるしで、たいへん…

人文系における論文捏造とは?

今年2月に大阪府立大学工学部の大学院生による論文捏造が発覚して、新聞でも報道された。調査委員会のレポートが、5月に公表されている(「調査概要」PDFファイル)。そこから引用: 当該学生の主張要旨 データを捏造した動機は、良い研究結果を出すこ…

ニート君もう春ですよ・・・

第17回伊藤園新俳句大賞の佳作特別賞に次のような句があった。 ニート君もう春ですよ動きなさい ((c)著者) 著者はおそらく素人の方であろうから、名前は出さない。これは昨今のニート論批判の視点からすると、どうなんだろうと思ってしまった。またこれ…

「サバルタン」って言うな!

x0000000000さんからトラックバックをいただいた。 サバルタンが本当に必要としているのは、サバルタン論なのか」ということなのである。そして、僕はそうではないと思っている。(略)「いま、ここで」サバルタンに必要なものは、その生を肯定し得る物質的…

「ここにサバルタンがいる」と言えるのか?

font-daさんのエントリー「ガヤトリ・スピヴァク来日」において、font-daさんが、 スピヴァクの話は、研究者のような特権階級にはない人(=声をあげるチャンスを奪われている人)が、優先的に聞けるようにすべきでは??理想論かなあ。 と書かれ、私のコメ…

ゲーテ「野ばら」再考

かの有名な若きゲーテによる詩「野ばら」、シューベルトらも曲を付けているから、みなさんも一度は聴いたことがあるだろう。手塚富雄先生による訳詩。ゲーテ詩集 (1966年) (角川文庫)作者: ゲーテ,手塚富雄出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1966メディア: …

小谷野敦のモテ論と私

モテの関係で、ひさびさに小谷野敦『もてない男』(1999年)を再読している。もてない男―恋愛論を超えて (ちくま新書)作者: 小谷野敦出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1999/01/01メディア: 新書購入: 4人 クリック: 121回この商品を含むブログ (174件) …

モテへのアドヴァイスは恋愛至上主義に加担するのか?

みなさんからの多数のコメントなどを参考に、再度、モテについて最初から考えてみる。まず、人は恋愛する必要はない。モテる必要もない。私はそのように考えている。だから「恋愛できない男は、男じゃない、一人前ではない」という思想(恋愛至上主義)を私…

ブランド商品と「下流」

立木信『若者を喰い物にし続ける社会』という本を読んでいる。若者を喰い物にし続ける社会 (新書y)作者: 立木信出版社/メーカー: 洋泉社発売日: 2007/06メディア: 新書購入: 2人 クリック: 63回この商品を含むブログ (32件) を見る格差社会の進行によって、…

最近買った本

最近買った新しい本の中からいくつか。今日は列挙するのみ。Frontiers of Justice: Disability, Nationality, Species Membership (The Tanner Lectures on Human Values)作者: Martha C. Nussbaum出版社/メーカー: Belknap Press: An Imprint of Harvard Un…

ディアナチュラのCMは女性差別では?

テレビはあまり見ないので知らなかったのだが、このアサヒフードアンドヘルスケア株式会社のディアナチュラっていうサプリのCM、いったい何なのだろう???夫、妻、男の子の家族らしいが、なぜか妻の頭部だけがサプリのケースになっているし、それでいて…

他者を歓待するブログについて

以下の投稿はid:mojimojiさんによるゲスト投稿です。===== 私が、様々な媒体の中でも特にブログという媒体に愛着を持っているのは、そこが他者に出会ってしまいやすい媒体である、という思いがある。その意味で、kanjinai氏の書かれた「ネットに「他者…

マイルス・デイビスの音楽愛

マイルス・デイビス自叙伝〈1〉 (宝島社文庫)作者: マイルスデイビス,クインシートループ,Miles Davis,Quincy Troup,中山康樹出版社/メーカー: 宝島社発売日: 1999/12/01メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 35回この商品を含むブログ (47件) を見るマイルス…

極限状況論・補遺

入門・医療倫理 (2)作者: 稲葉一人,蔵田伸雄,児玉聡,堂囿俊彦,奈良雅俊,林芳紀,水野俊誠,山崎康仕,赤林朗出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2007/04/10メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 27回この商品を含むブログ (22件) を見る新刊の『入門・医療倫理2…

杉本健郎さんのHP

http://web.kamogawa.ne.jp/~sugimoto/topi/index.htm「新不定期日記」を拝読すると、病を生きるこどもたちとともに格闘されていることがわかる。そんななか、私がふと思ったのは、障害者自立支援法と臓器移植法の「改正」が、根っこの部分で思想的には通底…

がんになった医師のまなざし『がんとどう向き合うか』

がんとどう向き合うか (岩波新書)作者: 額田勲出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/05/22メディア: 新書 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る発売されたばかりのこの本を読むまで知らなかった。額田勲さんが前立腺がんにかかっている。額田さ…

カント、フィヒテ、ヘーゲル、女

『思想』2007年4月号に、水田珠枝さんによる論文「平塚らいてうの神秘主義(上)」が掲載されている。これは平塚らいてうのフェミニズム思想形成を、当時の思潮や、人間関係、本人の人間形成などの点から解明しようとする意欲作である。この論文を読ん…

男をバカにした『モテる技術』

モテについては、近々新しいエントリーを書くが、その前に、私のテーゼ「モテる男とは一人の女性を大切にできる男である」を全否定するモテ本がある。それが、ここに紹介する『モテる技術』である。モテる技術 (SHO‐PRO BOOKS)作者: デイビッドコープランド,…