フリーターとジェンダー

西田芳正「フリーター問題の背景と若者支援の方策−社会的排除の視点から」『2007年度大阪府立大学人間社会学公開講座報告要旨集』より、興味深かった文章を引用する。

これは20歳、女性、高卒の方へのインタビュー

【相手がフリーターやったら?】
フリーターは(結婚は)無理。安定していないから。
【やっぱり正規の社員じゃないとダメなのね?】
別に社員とかじゃなくても、普通に鳶とか鉄筋の仕事をしている人でもいいねんけど、男でフリーターというのはイヤや。ちゃんとしてよと思う。
【女のフリーターはOKなのね?】
女の子は結婚して、一生働くわけじゃないと思っているから。男の人ってぜったに一生働かないとあかんやんか[誤植ママ]。(略)(交際相手に)サラリーマンとかはイヤや。
【何で?】
リストラとかイヤや。肉体労働をしている人の方が好き。男らしいし。
【好き!】
何か男らしいやん。大工さんとか。
・・・[以下略]・・・
(26頁)

この女性の労働者観も興味深いが、ジェンダー観も興味深い。大学に隔離されていると、このような意見がどのくらいの分布をしているのか、まったく見当がつかない。ジェンダーフェミニズム男性学に関わっている大学人は、この女性に対して、語りかけるべき言葉を持っているのだろうか。