新刊

2007年の3冊

今年の新刊書から印象に残った本を紹介したい。宗教に関係する本を3冊選んでみた。キリスト教と音楽 ヨーロッパ音楽の源流をたずねて作者: 金澤正剛出版社/メーカー: 音楽之友社発売日: 2007/01/18メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 21回この商品を含む…

2007年の3冊

今年、印象に残った3冊をあげます。私は、人間を描き出そうという試みで、興味深かった本を3冊。(必ずしも良書という意味で選んだわけではありません)(1)森田京子『子どもたちのアイデンティティー・ポリティックス―ブラジル人のいる小学校のエスノグラ…

編集者は「邪馬台国」をどう断るか

『いける本・いけない本』第7号というミニコミ誌を眺めていたら、タイトルのようなエッセイを見つけた。著者は、元講談社の編集者、鷲尾賢也さんである。編集者をやっていると、様々な持ち込み原稿が殺到するが、そのなかでもいちばん多いのは「邪馬台国」…

戦後民衆精神史

現代思想2007年12月臨時増刊号 総特集=戦後民衆精神史出版社/メーカー: 青土社発売日: 2007/12メディア: ムック購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (11件) を見る『現代思想』臨時増刊号が、「戦後民衆精神史」という特集をやっている。戦後の思…

アドルノの否定弁証法講義

否定弁証法講義作者: アドルノ,細見和之,高安啓介,河原理出版社/メーカー: 作品社発売日: 2007/11/23メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 16回この商品を含むブログ (7件) を見るアドルノの大著『否定弁証法』への入門的位置づけにあたる本。アドルノが19…

「能力の共同性」が答えか?

新自由主義の嘘 (双書 哲学塾)作者: 竹内章郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/12/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 16回この商品を含むブログ (8件) を見る私はこちらを取り上げる。方向性としては共感し、挙げられている例はなじみの例も多い…

意識と〈私〉

なぜ意識は実在しないのか (双書 哲学塾)作者: 永井均出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/11/06メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 77回この商品を含むブログ (50件) を見る読了しました。とても刺激的で面白い本だと言える。テーマは永井さんがずっと…

アイリス・チャン『ザ・レイプ・オブ・南京』

アイリス・チャン(1968-2004)の著書が、日本語訳されたようだ。ザ・レイプ・オブ・南京―第二次世界大戦の忘れられたホロコースト作者: アイリスチャン,Iris Chang,巫召鴻出版社/メーカー: 同時代社発売日: 2007/12/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: …

プラトンの『国家』

名著誕生4 プラトンの『国家』作者: サイモンブラックバーン,Simon Blackburn,木田元出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2007/12/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (16件) を見るPlato's Republic: A Biography (A Book that S…

『哲学の誤読』入試問題の哲学的読み

哲学の誤読 ―入試現代文で哲学する! (ちくま新書)作者: 入不二基義出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/12/01メディア: 新書購入: 8人 クリック: 95回この商品を含むブログ (37件) を見る入不二基義さんの新刊『哲学の誤読:入試現代文で哲学する』は、…

ヤン・パトチカという哲学者

『思想』12月号が、チェコの哲学者、ヤン・パトチカの特集を組んでいる。パトチカは、1977年に、チェコの警察による過酷な訊問を受けて、70歳を目前に死んだとのこと。この特集を読むまで、私はこの哲学者についてまったく知らなかった。亡命するこ…

2007年の3冊

続いて私の場合(必ずしもお勧め本ばかりではありませんので注意)。(1)樫村愛子『ネオリベラリズムの精神分析』ネオリベラリズムの精神分析―なぜ伝統や文化が求められるのか (光文社新書)作者: 樫村愛子出版社/メーカー: 光文社発売日: 2007/08メディア:…

2007年の3冊

G★RDIASでも、2007年の3冊というエントリーをやってみることになりました(3冊でなくてもOK)。(1)加藤秀一『〈個〉からはじめる生命論』〈個〉からはじめる生命論 (NHKブックス)作者: 加藤秀一出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2007/09/27…

宗教学文献事典

宗教学文献事典作者: 島薗進,深澤英隆,石井研士,下田正弘出版社/メーカー: 弘文堂発売日: 2007/12/05メディア: ハードカバー クリック: 5回この商品を含むブログ (3件) を見る 弘文堂から宗教学の基本文献を解説した事典が刊行されました。私は(古本で)買う…

三島亜紀子『社会福祉学の〈科学〉性』

社会福祉学の〈科学〉性―ソーシャルワーカーは専門職か?作者: 三島亜紀子出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2007/11/29メディア: 単行本 クリック: 46回この商品を含むブログ (10件) を見るもともとは大阪市立大学に提出された修士論文「社会福祉の学問と専…

修復的司法についての文献

ついに、日本の法学者による概論書が出版された。対話による犯罪解決―修復的司法の展開 (RJ叢書)作者: 高橋則夫出版社/メーカー: 成文堂発売日: 2007/11/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (2件) を見るとりあえず、これを読め…

『観念的生活』と哲学者

観念的生活作者: 中島義道出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/11/29メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (21件) を見る中島義道さんの新著である。ほんとに、本を出しすぎではないのか? 本人も著書中で書いているが、自分で…

筑摩書房の新刊(12月〜1月)

新刊情報が、来月の初旬あたりまで追加されています。哲学関連ですと、単行本でハンナ・アレント。文庫で中島義道さんの旧著と、ドゥルーズのカント論。W・ハイゼンベルク『物理学に生きて ─巨人たちが語る思索のあゆみ』も面白そうです。筑摩書房 これから…

法政大学出版局の新刊(12月)

バークリの研究書などが刊行されます。 法政大学出版局 |

岩波書店の新刊(12月)

今月の新刊です。哲学関連では、アドルノの伝記が翻訳されています。あと哲学塾のシリーズ、上田閑照さんの西田哲学論など。岩波書店

『医療倫理と合意形成』

医療倫理と合意形成―治療・ケアの現場での意思決定作者: 吉武久美子出版社/メーカー: 東信堂発売日: 2007/11メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (2件) を見る医療倫理の基本原則の一つである「インフォームド・コンセント」の限界…

ロボットとの愛とセックス

Love and Sex with Robots: The Evolution of Human-Robot Relationships作者: David Levy出版社/メーカー: Harper発売日: 2007/11/01メディア: ハードカバー クリック: 115回この商品を含むブログ (7件) を見る以前のエントリー「女性型ロボットへの性的欲…

『なぜ意識は実在しないのか』

なぜ意識は実在しないのか (双書 哲学塾)作者: 永井均出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/11/06メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 77回この商品を含むブログ (50件) を見る永井均さんの新刊を入手。パラパラと全体を読んでみた。ある意味、非常にシャ…

『マックス・ヴェーバーの哀しみ』

マックス・ヴェーバーの哀しみ―一生を母親に貪り喰われた男 (PHP新書)作者: 羽入辰郎出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2007/11メディア: 新書購入: 1人 クリック: 20回この商品を含むブログ (18件) を見るこれはなかなかの問題作だろう。私はヴェーバーの…

『ウェブ時代をゆく』

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)作者: 梅田望夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/11/06メディア: 新書購入: 91人 クリック: 724回この商品を含むブログ (1191件) を見る梅田望夫さんの新刊を入手。パラパラと眺めてみた。ま…

エンハンスメント:ドイツからのレポート

エンハンスメント―バイオテクノロジーによる人間改造と倫理作者: 生命環境倫理ドイツ情報センター,松田純,小椋宗一郎出版社/メーカー: 知泉書館発売日: 2007/11メディア: 単行本 クリック: 13回この商品を含むブログ (8件) を見るエンハンスメントとは、人間…

品川哲彦『正義と境を接するもの』

正義と境を接するもの: 責任という原理とケアの倫理作者: 品川哲彦出版社/メーカー: ナカニシヤ出版発売日: 2007/10/25メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 33回この商品を含むブログ (23件) を見る出版社のサイト:http://www.nakanishiya.co.jp/modules/m…

障害関係新刊(未読)

こちらも、新刊情報です。中途肢体障害者における「障害の意味」の生涯発達的変化―脊髄損傷者が語るライフストーリーから作者: 田垣正晋出版社/メーカー: ナカニシヤ出版発売日: 2007/10メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (5件) を見る支…

法政大学出版局の新刊(11月)

法大出版局のウェブサイトも、今後チェックしようと思います。 以下は、11月の新刊書一覧。http://www.h-up.com/2007-11.html 『教皇と魔女 宗教裁判の機密文書より』は面白そうなので、書店で捜してみるつもりです。

岩波書店の新刊(11月)

哲学関連で注目は、永井均さんの新著でしょうか(「哲学塾」のシリーズです)。http://www.iwanami.co.jp/shinkan/index.html