2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

大澤真幸『ナショナリズムの由来』

ナショナリズムの由来作者: 大澤真幸出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/06/29メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 54回この商品を含むブログ (79件) を見る以前、ここで話題になっていた大著が、ついにお目見えでございます。ギリギリ5千円以下。まだ買…

杉野昭博『障害学――理論形成と射程』

日本でも、「障害学」と呼ばれる領域が精力的に研究されつつある。本書は、いま絶好のタイミングで出版されたと言って差し支えないだろう。障害学―理論形成と射程作者: 杉野昭博出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2007/06/01メディア: 単行本 クリック…

誰のための被害者参加制度なのか?

kanjinaiさんも下で紹介しているが、20日に刑訴法の改案が可決され、裁判の「被害者参加制度」が現実化するという方向性が決まった。法学者の白取祐司はフランスの法制度と比較しながら次の点を指摘する。 フランスの刑事裁判は職権主義で裁判長のイニシアチ…

被害者参加制度は重罰化を推進するか?

『インパクション』157号(2007年7月10日号)にて、弁護士の山下幸夫が、「重罰化が進む昨今の法改正について」というコラムを書いている。その中に、今国会で成立(6月20日)した「被害者参加制度」(裁判の時に被害者側も出廷できるという制…

フリーターズフリー

フリーターズフリー〈Vol.01〉よわいのはどっちだ。作者: フリーターズフリー出版社/メーカー: フリーターズフリー発売日: 2007/06/01メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 36回この商品を含むブログ (31件) を見る アマゾンから届いたので、少しづつ読んで…

臓器移植法改正を考える勉強会

転送可とのことなので掲載します。長期脳死の「有里ちゃん」のお母さんの話が聞き所かと思われます。_________________臓器移植法改正を考える第15回勉強会 脳死は人の死? 本人意思は不要?【呼びかけ人】池坊保子 泉健太 漆原良夫 枝野…

澤瀉久敬『医学の哲学』

ある方に勧められ、澤瀉久敬さんを読んでみようと思っている。私は恥ずかしながら初耳だったのだが、デカルトやベルクソンなど、フランス哲学の研究者であったようだ。そして、注文した本がこれ。ちょうど、誠信書房からオンデマンド版が出されているようだ…

BSアニメ夜話

今晩から四夜連続で放映。 http://www.nhk.or.jp/animeyawa/list.htmlBSアニメ夜話 第8弾 (2007年6月25日〜28日放送) 6月25日(月) 母をたずねて三千里 監督: 高畑勲 6月26日(火) 装甲騎兵ボトムズ 監督: 高橋良輔 6月27日(水) 時をかける少女 監督: 細田守 …

キャディ『切除されて』

切除されて作者: キャディコイタ,Khady Koita,松本百合子出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売日: 2007/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 18回この商品を含むブログ (9件) を見る 女性器切除を扱った書籍が、ブックファーストの新刊棚に平積みされ…

ブリューゲルとルーベンス

今日が最終日だったので、急いで大阪・中之島にある国立国際美術館の「ベルギー王立美術館展」に行ってきた。すごいお客さんがたくさんいた。大阪の美術ファンってこんなに多いのだろうか。けっこうみんな、しぶい作品を熱心に見ていた。話題の、ブリューゲ…

ダーウィンの悪夢

NHKのBSドキュメンタリーですが、7月1日(日曜日)の枠に「ダーウィンの悪夢」の放映予告があります。映画で公開された作品と同じものでしょうか。http://www.nhk.or.jp/wdoc/yotei/index.html http://www.nhk.or.jp/wdoc/yotei/index.html#060305a

竹内敏晴『生きることのレッスン』と身体の言葉

『ことばが劈かれるとき』の著者、竹内敏晴さんの新刊を読んだ。竹内さんは、竹内演劇研究所を主宰している。生きることのレッスン 内発するからだ、目覚めるいのち作者: 竹内敏晴出版社/メーカー: トランスビュー発売日: 2007/06/02メディア: 単行本 クリッ…

ネットカフェ漂流

6月24日(日)深夜2時35分〜3時30分、フジテレビ系列で『ネットカフェ漂流』という番組があるようです。 http://wwwz.fujitv.co.jp/b_hp/fnsaward/16th/07-174.html<企画意図> 今、東京で、懸命に働きながら、それでも最低限度の生活を営めない若者が増…

朴裕河(パク・ユハ)『和解のために』

和解のために 教科書、慰安婦、靖国、独島作者: 朴裕河,佐藤久出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2006/11/21メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 96回この商品を含むブログ (13件) を見る 韓国からの留学生の友人の話では、今の韓国では日本思想が大ブームだ…

米国の手塚治虫

サンフランシスコのAsian Art Museumで海外初の本格的な手塚治虫展をやっている。Tezuka: The Marvel of Manga (June 2 - September 9) http://www.marvelofmanga.org/ (←重いです・・)解説など読むと、けっこう力が入っている模様。行ってみたいなあ・・…

鷲田清一『思考のエシックス』と「他者」

思考のエシックス―反・方法主義論作者: 鷲田清一出版社/メーカー: ナカニシヤ出版発売日: 2007/06メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (11件) を見る鷲田さんの新著で、「他者」について議論されている。レヴィナスの路線で考えていこうとし…

『フリーターズフリー』創刊

下でfont-daさんも派遣労働問題について触れられているが、雑誌『フリーターズフリー』が、このたび創刊された。 「フリーターズフリー」HP http://www.freetersfree.org/ フリーターズフリー〈Vol.01〉よわいのはどっちだ。作者: フリーターズフリー出版…

派遣労働問題

先日、私の携帯電話に知らない番号から電話がかかってきた。出ると、「プレミア・サービスです」という女性の声。怪しんで問いただすと、人材派遣会社の「クリスタルサービス」が社名を変更したらしい。 「ああ、『クリスタル』が名前を変えたんですか?」 …

バンコク児童買春の闇

子どものねだん―バンコク児童売春地獄の四年間作者: マリー=フランスボッツ,Marie‐France Botte,Jean‐Paul Mari,堀田一陽出版社/メーカー: 社会評論社発売日: 1997/02メディア: 単行本購入: 14人 クリック: 1,376回この商品を含むブログ (12件) を見るこれは…

MINAMATA の半世紀

転送可とのことなので、紹介します。MINAMATA の半世紀制作者とともに観るNHK 番組のなかの水俣病(全4回)

ケアリング・エージェントの生命倫理

研究室に新着雑誌がたくさん来ていたので、少し紹介。『Ethics』Vol.117,No.3 April 2007に、Arnieszka Jaworska, "Caring and Full Moral Standing" (pp.460-497)という大論文が載ってます。パーソン論は、ある存在者が正当な道徳的配慮を受けられる「人格…

進化論の挑戦

進化論の挑戦 (角川ソフィア文庫)作者: 佐倉統出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2003/01メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 11回この商品を含むブログ (9件) を見る 伝統的なキリスト教信仰に基づく世界観・人間観に、ダーウィンの進化論がいかなる影響を与…

関西クィア映画祭

今年も、関西クィア映画祭が大阪・梅田のHEPホールで、7月20〜24日まで開催されます。私は去年から参加していて、とても楽しみにしていました。どれも観たいのですが、『男子であること』『0メートルの隔たり』は絶対はずせない感じです。(詳しい情報は↓で…

自然科学とリベラルアーツの統合:このままでは無理

「"自然科学"と"リベラル・アーツ"を 統合する会」というものが、多田富雄先生によって設立されたというのを新聞で読んで、そのサイトを訪れてみた。http://www.insla.jp/多田先生はかつてNHKで対談させてもらったこともあるし、共著もあるしで、たいへん…

人文系における論文捏造とは?

今年2月に大阪府立大学工学部の大学院生による論文捏造が発覚して、新聞でも報道された。調査委員会のレポートが、5月に公表されている(「調査概要」PDFファイル)。そこから引用: 当該学生の主張要旨 データを捏造した動機は、良い研究結果を出すこ…

ニート君もう春ですよ・・・

第17回伊藤園新俳句大賞の佳作特別賞に次のような句があった。 ニート君もう春ですよ動きなさい ((c)著者) 著者はおそらく素人の方であろうから、名前は出さない。これは昨今のニート論批判の視点からすると、どうなんだろうと思ってしまった。またこれ…

筑摩書房の新刊(7月)

http://www.chikumashobo.co.jp/comingbook/ 7月の新刊情報。哲学関連の本では、フーコーの講義録のほかに、ポール・K・ファイヤアーベント(村上陽一郎 翻訳)『知についての三つの対話』と、長谷川宏『高校生のための哲学入門』が刊行されます。

「サバルタン」って言うな!

x0000000000さんからトラックバックをいただいた。 サバルタンが本当に必要としているのは、サバルタン論なのか」ということなのである。そして、僕はそうではないと思っている。(略)「いま、ここで」サバルタンに必要なものは、その生を肯定し得る物質的…

「ここにサバルタンがいる」と言えるのか?

font-daさんのエントリー「ガヤトリ・スピヴァク来日」において、font-daさんが、 スピヴァクの話は、研究者のような特権階級にはない人(=声をあげるチャンスを奪われている人)が、優先的に聞けるようにすべきでは??理想論かなあ。 と書かれ、私のコメ…

ガヤトリ・スピヴァク来日

来日の噂はあったのですが、ついに詳細が発表されたようです。 第一回招聘フェロー ガヤトリ・チャクラヴォルティ・スピヴァク 来日記念プログラム滞日期間:2007年6月28日ー7月20日「人文学における学問的アクティヴィズム」 日時:2007年7月7日(土)3:00 …