読書

男化するweb世界

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)作者: 梅田望夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/02/07メディア: 新書購入: 61人 クリック: 996回この商品を含むブログ (2353件) を見る kanjinaiさんも紹介していた、梅田望夫「ウェブ進化論…

桐野夏生「残虐記」

残虐記 (新潮文庫)作者: 桐野夏生出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/07/30メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 38回この商品を含むブログ (125件) を見る 文庫化されていたので、読んでみた。30代の女性小説家が、失踪の際に残した原稿という形で物語が…

輸入学問の功罪

輸入学問の功罪―この翻訳わかりますか? (ちくま新書)作者: 鈴木直出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 51回この商品を含むブログ (51件) を見る 先日のエントリーに関連して。ちくま新書から年頭に、このような本…

『リベラルなナショナリズムとは』

リベラルなナショナリズムとは作者: ヤエルタミール,Yael Tamir,押村高,森分大輔,高橋愛子,森達也出版社/メーカー: 夏目書房発売日: 2006/12/01メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (7件) を見る著者はイスラエル女性学者、平和運動家。分配…

ファウストの邦訳

学生時代に、私が読んだ『ファウスト』は、ドイツ文学者手塚富雄氏の訳だった。中公文庫に収録されている。ファウスト 悲劇第一部 (中公文庫)作者: ゲーテ,手塚富雄出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1974/10/10メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 14回…

ゲーテ『ファウスト』おまえは生きなければならない!

ファウスト (1967年) (角川文庫)作者: ゲーテ,高橋健二出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1967メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見るゲーテの悪口を前のエントリーで書いた。だが、超セクハラオヤジのゲーテであるが、『ファウスト…

宮尾登美子「鬼龍院花子の生涯」

鬼龍院花子の生涯 (文春文庫)作者: 宮尾登美子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1982/06メディア: 文庫 クリック: 14回この商品を含むブログ (4件) を見る 大正時代の、高知のヤクザ鬼龍院鬼政の養女に入れられた松恵の視点から語られる、一家の興隆と没落…

新渡戸稲造『武士道』の切腹シーン

武士道 (岩波文庫 青118-1)作者: 新渡戸稲造,矢内原忠雄訳,矢内原忠雄出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1938/10/15メディア: 文庫購入: 20人 クリック: 146回この商品を含むブログ (217件) を見る名著の誉れ高い新渡戸の『武士道』だが、さすがに古典だけの…

加藤詩子「一条さゆりの真実」

一条さゆりの真実―虚実のはざまを生きた女作者: 加藤詩子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2001/02メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 193回この商品を含むブログ (9件) を見る 私の世代だと、一条さゆりといえば、「二代目」が思い浮かぶのではないだろう…

サリンジャー『フラニーとゾーイー』太っちょのオバサマ

フラニーとゾーイー (新潮文庫)作者: サリンジャー,野崎孝出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1976/05/04メディア: 文庫購入: 13人 クリック: 129回この商品を含むブログ (189件) を見るサリンジャー『フラニーとゾーイー』は、若いときに読んだのだが、いまい…

最所フミ『英語類義語活用辞典』は名著だと思う

英語類義語活用辞典 (ちくま学芸文庫)作者: 最所フミ出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2003/07/09メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 70回この商品を含むブログ (15件) を見るこの本を、少しずつ読んでいる。これは、英語を本気で学習したい人にとって必読…

朴裕河(パク・ユハ)『和解のために』

和解のために 教科書、慰安婦、靖国、独島作者: 朴裕河,佐藤久出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2006/11/21メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 96回この商品を含むブログ (13件) を見る 韓国からの留学生の友人の話では、今の韓国では日本思想が大ブームだ…

バンコク児童買春の闇

子どものねだん―バンコク児童売春地獄の四年間作者: マリー=フランスボッツ,Marie‐France Botte,Jean‐Paul Mari,堀田一陽出版社/メーカー: 社会評論社発売日: 1997/02メディア: 単行本購入: 14人 クリック: 1,376回この商品を含むブログ (12件) を見るこれは…

進化論の挑戦

進化論の挑戦 (角川ソフィア文庫)作者: 佐倉統出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2003/01メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 11回この商品を含むブログ (9件) を見る 伝統的なキリスト教信仰に基づく世界観・人間観に、ダーウィンの進化論がいかなる影響を与…

堀江有里『「レズビアン」という生き方』

「レズビアン」という生き方―キリスト教の異性愛主義を問う作者: 堀江有里出版社/メーカー: 新教出版社発売日: 2006/10メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 54回この商品を含むブログ (16件) を見る 今年の秋から、来年の春にかけて、同級生が3人結婚する…

全注釈付き『善の研究』

(講談社学術文庫)" title="善の研究 (講談社学術文庫)">善の研究 (講談社学術文庫)作者: 西田幾多郎,小坂国継出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/09/08メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 42回この商品を含むブログ (26件) を見る 西田幾多郎『善の研究』…

小谷野敦のモテ論と私

モテの関係で、ひさびさに小谷野敦『もてない男』(1999年)を再読している。もてない男―恋愛論を超えて (ちくま新書)作者: 小谷野敦出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1999/01/01メディア: 新書購入: 4人 クリック: 121回この商品を含むブログ (174件) …

イビチャ・オシムさんの宗教観

オシムが語る作者: シュテファン・シェンナッハ,エルンスト・ドラクスル,小松淳子,木村元彦出版社/メーカー: 集英社インターナショナル発売日: 2006/12/15メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 20回この商品を含むブログ (20件) を見る サッカー日本代表監督…

ブランド商品と「下流」

立木信『若者を喰い物にし続ける社会』という本を読んでいる。若者を喰い物にし続ける社会 (新書y)作者: 立木信出版社/メーカー: 洋泉社発売日: 2007/06メディア: 新書購入: 2人 クリック: 63回この商品を含むブログ (32件) を見る格差社会の進行によって、…

植物と帝国を中絶で結ぶ

植物と帝国―抹殺された中絶薬とジェンダー作者: ロンダシービンガー,Londa Schiebinger,小川眞里子,弓削尚子出版社/メーカー: 工作舎発売日: 2007/05/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 23回この商品を含むブログ (22件) を見るロンダ・シービンガーの…

最近買った本

最近買った新しい本の中からいくつか。今日は列挙するのみ。Frontiers of Justice: Disability, Nationality, Species Membership (The Tanner Lectures on Human Values)作者: Martha C. Nussbaum出版社/メーカー: Belknap Press: An Imprint of Harvard Un…

カント『道徳形而上学原論』

kanjinaiさんの「極限状況論・補遺」への応答はいましばし待っていただき、この問題に類似の問題について、カントならどう答えるだろうか。道徳形而上学原論 (岩波文庫)作者: カント,Immanuel Kant,篠田英雄出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1976/01/01メデ…

マイルス・デイビスの音楽愛

マイルス・デイビス自叙伝〈1〉 (宝島社文庫)作者: マイルスデイビス,クインシートループ,Miles Davis,Quincy Troup,中山康樹出版社/メーカー: 宝島社発売日: 1999/12/01メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 35回この商品を含むブログ (47件) を見るマイルス…

がんになった医師のまなざし『がんとどう向き合うか』

がんとどう向き合うか (岩波新書)作者: 額田勲出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/05/22メディア: 新書 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る発売されたばかりのこの本を読むまで知らなかった。額田勲さんが前立腺がんにかかっている。額田さ…

本田由紀編『若者の労働と生活世界』

若者の労働と生活世界―彼らはどんな現実を生きているか作者: 本田由紀出版社/メーカー: 大月書店発売日: 2007/05メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 207回この商品を含むブログ (41件) を見るフリーター、ニート、ワーキング・プア。他方では、過重労働、…

小畑清剛『近代日本とマイノリティの<生―政治学>』

非常に面白かった。著者は法哲学者で、本書は、とりわけ障害者やハンセン病者の生と、現代思想(副題にもあるように、C・シュミット、M・フーコー、G・アガンベンを軸としながら)とを切り結ぶという、非常な意欲を感じる力作。近代日本とマイノリティの…

中島敦『山月記』と倫理

『山月記』を読んでいると思わぬ箇所が目にとまった。虎になってしまった主人公の李徴の嘆きである。 おれの中の人間の心がすっかり消えてしまえば、おそらく、そのほうが、おれはしあわせになれるだろう。だのに、おれの中の人間は、そのことを、この上なく…

デボラ・タネン『わかりあえない理由』

重厚で非常に重要な話題が続いているので、ちょいと一服(スルーしてください)。わかりあえる理由(わけ) わかりあえない理由(わけ)―男と女が傷つけあわないための口のきき方8章 (講談社プラスアルファ文庫)作者: デボラタネン,Deborah Tannen,田丸美寿々出…

マーティン・コーエン『倫理問題101問』

倫理問題101問 (ちくま学芸文庫)作者: マーティンコーエン,Martin Cohen,榑沼範久出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/05/01メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 68回この商品を含むブログ (19件) を見る中絶や暴力の問題など、現代社会について倫理学には…

クジラ肉は余っています

星川淳さんの新刊、『日本はなぜ世界で一番クジラを殺すのか』を読んだ。日本はなぜ世界で一番クジラを殺すのか (幻冬舎新書)作者: 星川淳出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2007/03メディア: 新書購入: 3人 クリック: 74回この商品を含むブログ (23件) を見る…