デボラ・タネン『わかりあえない理由』

重厚で非常に重要な話題が続いているので、ちょいと一服(スルーしてください)。

タネンのこの本のはじめに訳者である田丸美寿々が次のように書いている。

この男と女のすれ違いは、何なのだろう?
「ねえ、アタシ、風邪ひいちゃったみたいで頭がとても痛いの」
と、女が男に訴える。
ここで彼女たち(もちろん、私も含めて)が聞きたいのは、
「そうか。ボクも頭痛のつらさはよくわかるよ」
の言葉なのに、たいていの場合は、
「そうか。それなら薬を飲めばいいじゃないか」
のひと言を聞く。
その結果、女は「男は冷たい」と思い、男は、「女は愚痴ばかりこぼす」と突き放すことになる。
この不幸なギャップは何なのだろうか?(1〜2頁 私の持っているのは単行本版。文庫本は未確認)

自分の経験を振り返っても、これは心当たりがある。だが実際のところ、このような典型的なすれ違いって、男女関係で、どのくらい起きているのだろう。実際には、引用文中の男のような受け答えをする女もいるのではないのか? この手の話は女性から非常にたびたび聞くので、やはり、多いケースなのだろうか。それとも、非常に印象的な少数例が記憶に残って、幅広く言い伝えられるだけなのだろうか。

私は、なんとも判断できないでいる。