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クィア学会設立大会・東京

クィア学会設立大会が、10月27日(土)に東京で開催されるとのことです。 シンポジウム 「日本におけるクィア・スタディーズの可能性」のお知らせ 日時: 2007年10月27日(土)午後1:30〜4:30場所: 東京大学駒場キャンパス 18号館シンポジスト: 沢部ひ…

ヴァンパイアというサブカルチャー

History Channelを見ていると、ヴァンパイア(吸血鬼)特集をやっていた。そのなかで面白かったのは、他人の生き血を吸って生き続けていると自称するヴァンパイアのサークルが、ニューヨークにたくさんあるということだ。彼らは、夜な夜なクラブに集い、SM…

福祉社会は自由社会よりも幸福度が高いとは言えない?

APの記事によれば、いま人々の幸福度を測定する研究が、各地で進んでいるとのこと。たとえば、GDPのかわりにGNH(gross national happiness)という指標が提唱されたりしている。そういうのを各国別に測ってみると、驚くべきことに、福祉国家のほう…

大塚信一『山口昌男の手紙』に見る知識人の肖像

山口昌男の手紙 文化人類学者と編集者の四十年作者: 大塚信一出版社/メーカー: トランスビュー発売日: 2007/09/04メディア: 単行本 クリック: 19回この商品を含むブログ (17件) を見る岩波書店にて山口昌男の編集者を長く勤め、岩波書店の社長であった著者が…

無限のキャンディーに隠された秘密

無限のスーパーレッスン作者: 木村俊一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/07/18メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 46回この商品を含むブログ (12件) を見る木村俊一『無限のスーパーレッスン』を読んだ。非常に面白い本である。内容は、大学の数学で学…

香西豊子『流通する人体』と膨大な言葉

流通する「人体」―献体・献血・臓器提供の歴史作者: 香西豊子出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2007/07/17メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 62回この商品を含むブログ (21件) を見る訳あって、この本を読んだ。著者は、1973年生まれだから若い世代…

ナノエシックスというものが提唱されている

ユネスコ(UNESCO)から、ナノテクノロジーが生み出す倫理問題についてのハンドブック(勧告)が刊行されたようだ。この分野は、ドレクスラーがナノテクノロジーの概念を提唱したときから、すでに予見されていた。たとえば、空気中に普通にある原子からある種…

英国の少年犯罪:11歳射殺される

以前のエントリーで、英国の少年犯罪がひどいことになっているという紹介をしたが、本日のBBCで、また新たな事件が起きたことが報道されている。それによると、リバプールで、サッカー練習から帰宅途中だった11歳の男の子が、自転車に乗って近づいてき…

障害者、フリーター、ホームレスの排除

下記のようなイベントがあるのでお知らせします。大阪府立大学にて。 公開講座「地域における「社会的排除」と、その対応策」 知的障害者、ホームレス、若者たちのなかには、厳しい状況での暮らしを強いられている人々がいます。本講座では、これらを「社会…

チャベス大統領続報

ベネズエラのチャベス大統領が提出している憲法改正案については、前のエントリーで紹介したが、どうも国会でそれが全会一致で承認されたようである。なぜ全会一致かというと、野党が選挙をボイコットしたので、国会はオール与党だからだ。あとは、数ヶ月後…

池田晶子『リマーク』について

以前のエントリーで池田晶子の新刊を面白くないと評した。その後、この本『リマーク』を入手できたのでパラパラと読んでみた。リマーク 1997-2007作者: 池田晶子出版社/メーカー: トランスビュー発売日: 2007/07/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 7回…

英国の少年犯罪がひどいことになっている

Observer紙によれば、英国の少年犯罪の状況がここのところかなりひどいことになっているらしい。マンチェスター市とかはとくにひどくて、少年ギャングたちが銃でがんがん人を撃って、市民を巻き添えにしているとのこと。少年ギャング間の抗争はむかしからあ…

ベネズエラのチャベス大統領やばいのでは?

ここのところの外電を読んでいるかぎり、ベネズエラのチャベス大統領のやっていることは、かなりやばいところまで来ているような気がする。豊富な石油・ガス資源を背景に、社会主義化を進め、国連での反ブッシュ演説などで、世界の左翼や労働層から支持を得…

サバイバル・ロッタリー擁護論

新着のBioethics誌に、ハリスのサバイバル・ロッタリーの改良案の擁護論が掲載されている。Gerhard Overland, "Survival Lotteries Reconsidered", Bioethics 21:7, pp.355-363, (2007)。オーバーランドは、サバイバル・ロッタリーの概念を、national lotter…

鼻をすする日本人

終戦記念日を前にふと思い出したこと。ヨーロッパの人と話をしていたときに、その人は、日本人が鼻をすする(ズズーっとか)のは欧州では非常にはしたないことだと思われているというふうに教えてくれた。へー、そうなんだと思ったのだが、日本に帰ってきて…

中国における「死ぬ権利」

China Dailyによると、香港の38歳の男性が、自分の死ぬ権利を主張して大きな話題になっているらしい。この男性は脊髄を損傷して、16年間病院の天井を眺めているだけの人生だとのこと。自分の死ぬ権利を訴えているが、認められていない。ホーキング博士が…

プロアナビデオとは

8月9日のエントリーで、拒食症サイトが英語圏SNSで流行しているということを紹介した。本日の別の新聞にも同様の記事が出ている。'Social websites like MySpace encourage anorexia', warn charities。この記事を読んでいただくと分かるが、それらSN…

ポストコロニアルって

『現代思想』8月号に、磯前順一「外部とは何か?− 柄谷行人と酒井直樹、そしてクリスチャン・ボルタンスキー」という論文が掲載されている。冒頭から、柄谷の「探求1」の議論が引用されていて、なんか懐かしい。ポストコロニアル研究について、磯前はこう…

拒食症のSNSがはやっているらしい

BBCサイトによれば、英語圏のSNSで、拒食症のコミュニティが流行しているらしい。もちろん以前からこの種のものはあったが、実名で輪を広げる拒食症コミュニティは、SNSならではであって、注目を集めているとのこと。問題はそのやりとりの内容で、…

オバサンの性的欲望は少年へと向かう

『論座』2007年9月号で、信田さよ子が「ホントはこわい?王子ブーム」というエッセイを書いている。まず、ペ・ヨンジュンファンの一部が、斎藤佑樹(ハンカチ王子)に流れたが、信田自身がその典型だと告白する。まずは斎藤が、安定した愛情溢れる家族…

『思想』1000号記念・続き

『思想』1000号記念特集の座談会「思想の100年をたどる(1)」で、佐藤卓己、苅部直、米谷匡が鼎談している。そのなかで戦前戦中の時期の『思想』や隣接雑誌について語っているところがおもしろい。林達夫は、読み手に「哲学的公衆」が登場し、哲学…

大東亜戦争と「思想」

『思想』8月号は、「思想第1000号記念特集」を組んでいる。総目次がすごい分量だが、これは思想史家にとっては役立つ資料となるだろう。谷川徹三による回想的エッセイ「『思想』の一七年 −昭和四年から昭和二〇年まで」が資料として採録されている。読…

スターリンを擁護するロシアの風潮

AP記事によると、ロシアではスターリン時代を擁護する風潮が目立ってきているらしい。背後には、プーチン政権の思惑があるとのことである。政府は最近、学校での歴史教育に口出しをするようになってきていて、クレムリンが承認するテキストを出版して、公…

マリファナ・大麻はやっぱり危険?

マリファナ・大麻類は、ドラッグのなかでもほとんど危険性がなく、タバコよりもずっと安全ということが言われている。米国や欧州では、かなりの人がこっそりあるいは堂々と使用しているのは衆知の事実だ。日本人でも留学したら使用機会がある。ところで、権…

中島義道『「人間嫌い」のルール』

「人間嫌い」のルール (PHP新書)作者: 中島義道出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2007/07/14メディア: 新書購入: 7人 クリック: 38回この商品を含むブログ (66件) を見る中島さんの新著である。しかしこの人は、どういうスピードで執筆しているのだろうか…

ゲーテ『ファウスト』おまえは生きなければならない!

ファウスト (1967年) (角川文庫)作者: ゲーテ,高橋健二出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1967メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見るゲーテの悪口を前のエントリーで書いた。だが、超セクハラオヤジのゲーテであるが、『ファウスト…

社会倫理研究奨励賞のお知らせ

南山大学で、社会倫理研究奨励賞というのを募集してます。優れた論文に30万くれるそうです。院生、OD等のみなさん、ぜひ出してみましょう。http://www.nanzan-u.ac.jp/ISE/japanese/award/index.html

イスラエルの教科書にはじめてパレスチナの視点が

APによれば、イスラエルのアラブ人3年生(Arab third-gradersってこういう意味?)向けの教科書に、ユダヤ人の語りとして、イスラエルの建国がパレスチナの人々にとって悲劇の始まりだったという意味の文章が載るとのことだ。これははじめてのことで、イ…

池田晶子『暮らしの哲学』

暮らしの哲学作者: 池田晶子出版社/メーカー: 毎日新聞社発売日: 2007/06/29メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 31回この商品を含むブログ (35件) を見る 急逝した池田晶子さんの遺作のひとつ。『サンデー毎日』に連載されたエッセイをまとめたもの。訳あ…

『現代思想・総特集ヘーゲル』

今月号の『現代思想』臨時増刊の特集は、ヘーゲルの「精神現象学」である。いろんな人たちが論説を書いている。冒頭の加藤尚武「『精神現象学』というゆがんだ真珠」は、加藤的な割り切りがたいへん面白い文章である。 ヘーゲルという思想家は体質的に未完成…