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誰のための被害者参加制度なのか?

kanjinaiさんも下で紹介しているが、20日に刑訴法の改案が可決され、裁判の「被害者参加制度」が現実化するという方向性が決まった。法学者の白取祐司はフランスの法制度と比較しながら次の点を指摘する。 フランスの刑事裁判は職権主義で裁判長のイニシアチ…

キャディ『切除されて』

切除されて作者: キャディコイタ,Khady Koita,松本百合子出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売日: 2007/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 18回この商品を含むブログ (9件) を見る 女性器切除を扱った書籍が、ブックファーストの新刊棚に平積みされ…

朴裕河(パク・ユハ)『和解のために』

和解のために 教科書、慰安婦、靖国、独島作者: 朴裕河,佐藤久出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2006/11/21メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 96回この商品を含むブログ (13件) を見る 韓国からの留学生の友人の話では、今の韓国では日本思想が大ブームだ…

派遣労働問題

先日、私の携帯電話に知らない番号から電話がかかってきた。出ると、「プレミア・サービスです」という女性の声。怪しんで問いただすと、人材派遣会社の「クリスタルサービス」が社名を変更したらしい。 「ああ、『クリスタル』が名前を変えたんですか?」 …

関西クィア映画祭

今年も、関西クィア映画祭が大阪・梅田のHEPホールで、7月20〜24日まで開催されます。私は去年から参加していて、とても楽しみにしていました。どれも観たいのですが、『男子であること』『0メートルの隔たり』は絶対はずせない感じです。(詳しい情報は↓で…

「サバルタン」って言うな!

x0000000000さんからトラックバックをいただいた。 サバルタンが本当に必要としているのは、サバルタン論なのか」ということなのである。そして、僕はそうではないと思っている。(略)「いま、ここで」サバルタンに必要なものは、その生を肯定し得る物質的…

ガヤトリ・スピヴァク来日

来日の噂はあったのですが、ついに詳細が発表されたようです。 第一回招聘フェロー ガヤトリ・チャクラヴォルティ・スピヴァク 来日記念プログラム滞日期間:2007年6月28日ー7月20日「人文学における学問的アクティヴィズム」 日時:2007年7月7日(土)3:00 …

堀江有里『「レズビアン」という生き方』

「レズビアン」という生き方―キリスト教の異性愛主義を問う作者: 堀江有里出版社/メーカー: 新教出版社発売日: 2006/10メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 54回この商品を含むブログ (16件) を見る 今年の秋から、来年の春にかけて、同級生が3人結婚する…

「成長停止」をめぐるシンポジウム

macskaさんが、ワシントンで行われた「重度障害児に対する『成長停止』療法」についてのシンポジウムについての報告をブログで書かれている。macskaさんによる経緯の説明は以下のようになっている。 論争の発端となったのは、アシュリーと呼ばれる女の子をめ…

赦しについての覚え書き2

先日起きた、息子が母親の頭部を切断した事件に関して、川村毅がブログで触れている。 こうした殺人に関して「あってはならないことです」とコメントするのは当たり前のことで、「あってはならないこと」なのだが、なぜ起こったのかかを善悪という概念を超え…

中島敦『山月記』と倫理

『山月記』を読んでいると思わぬ箇所が目にとまった。虎になってしまった主人公の李徴の嘆きである。 おれの中の人間の心がすっかり消えてしまえば、おそらく、そのほうが、おれはしあわせになれるだろう。だのに、おれの中の人間は、そのことを、この上なく…

ならば、誰に倫理を問えるのか?

ユダヤ人差別/排除の問題は、ヨーロッパに置いて長い歴史を持つ根深い問題ではあるが、やはりナチスによる「最終解決」(ユダヤ人絶滅作戦)は大きな意味を持つ。それまで、同化することにより非ユダヤ的に暮らそうとしてきたユダヤ人は、その限界を知り、(…

サバルタンと赦しについての覚え書き

〔・・・・・〕いたるところに回教徒の姿が見えた。かれらはやせ細って汚い格好をしていた。肌と顔は黒ずみ、視線はうつろになり、眼はくぼみ、服はすり切れ、ぬれていて、悪臭を放っていた。足取りはおぼつかなく、緩慢で、行進のリズムに合わせられない。〔・・・・…

パフスクールがオープン

LPCのDMで知ったのだけれど、イトー・ターリさんが代表を務めるパフスクールが、第一期講座受講の申し込みを始めたようだ。 もっと知りたい、考えたい、話したい と思ったときに理論と実践の講座が身近かにあったらいいのにと思ったことはありませんか。 パ…

ゲルド・フェルディナンド・キルヒホッフ『被害者学とは何か』

被害者学とは何か (講演会論文シリーズ (1))作者: ゲルド・フェルディナンド・キルヒホッフ出版社/メーカー: 〔成文堂〕発売日: 2005/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る 常盤大学には国際被害者学研究所が設立さ…

少女漫画と男性漫画の目の大きさ

モテだの、媚びだの、ファッションだの関連話で、こちらの記事を読んだ。 で、なんですけどね。男性向け漫画の女性と女性向け漫画の女性ってのも顔が違うんです。少女漫画と少年漫画って、絵柄が違うでしょ?特に女性の描き方とか。特に何が違うかっていいま…

錯綜する「女らしさ」

先日、友人が家に遊びに来た。彼女は大変カワイイ女子(ヘテロ)である。性格や仕草もカワイイが、それ以上に顔がカワイイ。しかも美容関係の仕事に就いているので、カワイサを際だたせる術も持っている。もちろん、私の友人の中でも1,2を争うモテ女子で…

子産みモノ

柄本三代子は出産の医療化による妊婦管理について、1999年の『女性学年報』で論じた際、「抵抗する素人」として、出産をテーマにした漫画を取り上げている。以下は内田春菊『私たちは繁殖している』への言及である。私たちは繁殖しているイエロー (角川文庫)…

トオマス・マン『ヴェニスに死す』

ヴェニスに死す (岩波文庫)作者: トオマスマン,Thomas Mann,実吉捷郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2000/05/16メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 21回この商品を含むブログ (28件) を見る 古本屋に入ると、100円で売っていた。kanjinaiさん(http://d.h…

カチャ・クルマン『カチャ・クルマン 32歳』

本屋さんで「産まないって、決めたわけじゃなくて…」という表紙のコピーが気に入ったので、買ってみた。ドイツ版『負け犬の遠吠え』とのこと。カチャ・クルマン32歳―産まないって、決めたわけじゃなくて…作者: カチャ・クルマン,たかおまゆみ出版社/メーカー…

やりまくらないでもフェミニスト

友人と、パット・カリフィア(アメリカのレズビアン・フェミニスト。SM愛好家で70年代からフェミニズム内で、フェミニズムの不正を告発する、というスタイルをとっていた。)『パブリックセックス』を読んでいるときに、「非一対一(アン・モノガミー)」とい…