2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

行動遺伝学と優生学の・・・

雨崎良未さんのブログで、日本の行動遺伝学(双子の研究にもとづく)の第一人者である安藤寿康さん(慶応大学)と、雨崎さんの対話が始まっている。双子の実証的研究をすると、人間というものがどこまで遺伝(子)的に決まっているのかということが、科学的…

「卵子を提供して神を感動させよう」

ヒトクローンES細胞の捏造で科学界に深刻なダメージを与えた、ファン・ウソク(黄禹錫)教授の事件の続報が、『女のからだから』No.253(2007/3/27)に掲載されている。ユン・ジョン・ウォン「研究のため、健康な卵巣まで摘出:黄禹錫事件から1年、国家生命…

カラマーゾフの兄弟

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)作者: ドストエフスキー,亀山郁夫出版社/メーカー: 光文社発売日: 2006/09/07メディア: 文庫購入: 29人 クリック: 257回この商品を含むブログ (468件) を見るカラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)作者: ドスト…

肥満である権利

言われなき差別を受けてきた人々は、差別をする社会に対して、われわれはいまのままでいいのだ、ありのままの私たちを認めよ、われわれは自己否定しなくてもいいんだ、と主張し、運動してきた。有色人種運動、障害者運動、フェミニズム、などなど。「ありの…

買った本

いつもx0000000000は、どんな本を買っているのか? とか思われる方もいるかもしれないと思い、今日書店に行って買ってきた本を並べます。哲学がはじまるとき―思考は何/どこに向かうのか (ちくま新書)作者: 斎藤慶典出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/04…

クィア学会が誕生するらしい

大学に来たDMで知りましたが、2007年秋に、クィア学会が誕生するとのことです。ウェブサイトは、 http://queerjp.org/上記サイトより引用: クィア・スタディーズとは、性と身体、そして欲望のあり方にかかわる諸規範を問いなおそうとする、批判的/批…

「私」おばけのフッサール

フッサールはドイツ(オーストリア)の哲学者で、「現象学」の創始者。20世紀の哲学や社会学に大きな影響を与えた。その最晩年の主著が、この『デカルト的省察』である。デカルト的省察 (岩波文庫)作者: フッサール,浜渦辰二出版社/メーカー: 岩波書店発売…

「本当は、できるでしょう?」の原初的風景

もう少し、この問題にこだわってみたい。 たとえば、私がコンビニで200円のおやつを買おうとするという状況を想定する。 目の前に、募金箱がある。そこには「アフガニスタンの人達は、4人家族で200円あれば1日暮らしていける」と書かれてある。 それでも、…

「本当は、できるでしょう?」という暴力

老親への介護などの場面で、「介護をしたくない」と言うべきときに、「介護をすることができない」と言い換えようとするところ、そしてみんながその言い方を許してしまうところに、「姥捨山問題」の萌芽があるのではないかという問題提起を、x0000000000さん…

「ホームレス食事制限法」関連

オーランド市に逮捕者が出たという記事を読み、ネットを少し検索してみた。毎日新聞 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070407k0000m040124000c.html 一部を引用。「フード・ノット・ボムズ」の設立者、ケイス・マクヘンリー氏は毎日新聞の…

社会学と「生き方としての学問」

友人から次の本を紹介されたので、入手してみた。非常に興味深い本であった。高齢化社会と日本人の生き方―岐路に立つ現代中年のライフストーリー作者: 小倉康嗣出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会発売日: 2006/12/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 1…

ホームレスに食事を与えて逮捕

「Arrest is first under homeless-feeding law」 http://www.orlandosentinel.com/features/food/orl-homeless0507apr05,0,2602061.story?coll=orl-shoppinghg-headlinesinthek Eric Montanez, 21, is the first to be arrested under the city's controver…

島尾ミホ『海辺の生と死』

海辺の生と死 (中公文庫)作者: 島尾ミホ出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1987/03メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 16回この商品を含むブログ (13件) を見る戦後短篇小説再発見5 生と死の光景 (講談社文芸文庫)作者: 講談社文芸文庫出版社/メーカー: 講…

哲学のスタートラインに立つ

「生命学とはなにか」(http://www.kinokopress.com/civil/0802.htm)でも触れたが、私は自分のことを「生命学者」だとはまったく思っていない。私は、自分のことを「哲学者」だと思ってきたし、最近とみにその感は強くなってきている。生命学を開発しつつ、…

姥捨山問題をめぐって

sugitaさんの「優生学・家族負担・尊厳死」で姥捨山問題が考察されている。 http://d.hatena.ne.jp/sugitasyunsuke/20070405/p1 姥捨山問題は、次のようなことを問題にする。 出来ないからしない、というのなら話は分かる。ところがこれらのケースでは、「出…

石川啄木と子どもの死、底知れぬ謎

一握の砂・悲しき玩具―石川啄木歌集 (新潮文庫)作者: 石川啄木,金田一京助出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1952/05/19メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 47回この商品を含むブログ (51件) を見る石川啄木のデビュー作『一握の砂』は、著者による次のような…

ハンナ・アレント「道徳哲学のいくつかの問題」

遺稿集所収の論文。責任と判断作者: ハンナアレント,ジェロームコーン,Hannah Arendt,Jerome Kohn,中山元出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/02/01メディア: 単行本 クリック: 37回この商品を含むブログ (17件) を見る ニーチェはみずからモラリストと名…

「生命学」という発想について

kanjinaiによる「生命学とは何か」という論文が、4月1日に刊行されました。生命学とは、自分をけっして棚上げにすることなく、生命について深く考え表現しながら、生きていくことです。「生命学」という言葉を発案してからはや20年、ようやくここまで言…

スピリチュアル・メッセージ

来週の水曜日、4月12日深夜ですが、フジテレビ系列のドキュメンタリー枠で、「スピリチュアル」のブームを取材した番組が放映されるそうです。http://www.fujitv.co.jp/nonfix/index2.html 参考 spicon.org - このウェブサイトは販売用です! - スピリチ…

シュライエルマッハーの怒濤の生命論

一昨日もシュライエルマッハーについて紹介したが、今日もその続き。(一昨日のはこれ:http://d.hatena.ne.jp/gordias/20070402/1175515159)独白 (岩波文庫)作者: シュライエルマッハー,木場深定出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1995/12/18メディア: 文…

モテ、萌え、への予告

以前に紹介したシュレーディンガーの本に、彼の「自伝」が入っているのだが、その中に以下の文章がある。 ・・・なぜなら私は女性に関することがらを書き落としており、それはこの自伝の不備であると同時に、また必要なことだと思ったからである。その理由は…

マタイ受難曲

J.S.バッハ マタイ受難曲 BWV244 [DVD]アーティスト: シュライアー(ペーター),シュラム(エルンスト=ゲロルト),ニムスゲルン(ジークムント),ドナート(ヘレン),ハマリ(ユリア),ミュンヘン少年合唱団,ミュンヘン・バッハ合唱団出版社/メーカー: ユニバーサル ミ…

雨宮処凛さんの新著

生きさせろ! 難民化する若者たち作者: 雨宮処凛出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2007/03/13メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 104回この商品を含むブログ (141件) を見る読みました。フリーターや野宿者問題、心の病、そして過労死というきわめて現代…

アメリカ国民の宗教意識

キリスト教世界の暦では、来週日曜日が復活祭にあたります。Newsweek(2007年3月31日付)に、アメリカ国民の宗教意識に関する調査結果が出ていましたので、紹介します。NEWSWEEK Poll: 90% Believe in God http://www.msnbc.msn.com/id/17879317/site…

シュライエルマッハーの生命論と「共鳴する死」

ちょいマイナーな神学者・哲学者のシュライエルマッハー(1768〜1834)の『独白』という本が、岩波文庫より刊行されている。独白 (岩波文庫)作者: シュライエルマッハー,木場深定出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1995/12/18メディア: 文庫購入: 1…

綿矢りさ、と言えば・・・

↑のeireneさんの書き込みで思い出しましたが、昨年私は、こういう記事を書きました。 加藤典洋のエロチックな時評(朝日新聞、綿矢りさ、ガルシア=マルケス) http://d.hatena.ne.jp/kanjinai/20061101/1175002512綿矢さんも、つねに自分の容貌込みで書き物…

論座・五月号

まだ内容をチェックしていないんですが、特集がアメリカと綿矢りささんです。http://opendoors.asahi.com/data/detail/8006.shtml論座 2007年 05月号 [雑誌]出版社/メーカー: 朝日新聞社出版局発売日: 2007/03/31メディア: 雑誌 クリック: 1回この商品を含む…

沸騰するインド医療ビジネス

来月のBSドキュメンタリーですが、インドの医療ビジネスの特集があるようです。外国人患者がメディカル・ツアーでインドに入国し、現地の医療スタッフから治療を受ける様子をリポートしているとのことです。 4月14日(土)後10:10〜11:00 http://www.nh…

大澤真幸の新刊?

id:elieli さんによれば、大澤真幸の「ナショナリズムの由来」がようやく出版されるらしいとのこと。ずいぶん前に連載してて、なかなか出なかったですよね。これが出たら、たぶん彼の代表作になるような気がする。「私的所有論」「無痛文明論」「ナショナリ…

論文への批判など

まだ未完成ではありますが、ホームページ http://www.nozakiy.org/をつくり、そこに最新の論文「障害の哲学・序論」 http://www.nozakiy.org/ronbun/200703.htmlを掲載しました(売り物ではないので、問題ないのでしょう)。さっそく、「いちヘルパーの小規…