『医療倫理と合意形成』
- 作者: 吉武久美子
- 出版社/メーカー: 東信堂
- 発売日: 2007/11
- メディア: 単行本
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医療倫理の基本原則の一つである「インフォームド・コンセント」の限界を指摘したうえで、それにかわる「合意の原則」を提唱した、しぶい研究書。環境倫理の住民集会、人工妊娠中絶のワークショップ、遺伝子治療のコンセンサス会議を念頭に置きながら、医療現場における「合意形成」こそが、ここでのキーであることを主張している。その際に重要となるもののひとつは、「関係者が意見の理由や思いを共有することで信頼を深めていく」ことである。
従来からいろんなところで言われていたことだが、このようにモデル化してみせたのは役に立つだろう。環境倫理の桑子敏雄研究室の実践から学んで医療倫理に応用しているらしいことがとくに興味をそそられる。