新刊

筑摩書房の新刊(12月)

新刊情報が更新されていました。哲学関連では、サルトル『存在と無 2』、メルロ=ポンティ『心身の合一』、入不二基義『哲学の誤読 ─入試現代文で哲学する!』などが刊行されます。http://www.chikumashobo.co.jp/comingbook/

『それでもつながりはつづく』

今夏に行われた世界陸上のために、長居公園に寝泊まりしていたホームレスの人々が、今年の2月5日の行政代執行によって強制立ち退きを余儀なくされた。私は以前長居公園の前に住んでいたことがあるし、現在も大阪市民としては、このような行政に、とても恥ず…

バトラー&スピヴァク「Who Sings the Nation-State?」

Who Sings the Nation-state?: Language, Politics, Belonging作者: Judith Butler,Gayatri Chakravorty Spivak出版社/メーカー: Seagull Books発売日: 2007/11/13メディア: ハードカバー購入: 2人 クリック: 6回この商品を含むブログ (9件) を見る とにかく…

フェミニスト生命倫理学

Bioethics誌の最新号が、フェミニスト生命倫理学の特集となっている。Bioethics Vol.21, No.9 November 2007なかでも、Angela Thachukの"The Space in Between: Narratives of Silenced and Genetic Terminations" 511-514 が気になる。 Consider the follow…

あなたは当事者ではない

あなたは当事者ではない−〈当事者〉をめぐる質的心理学研究−作者: 宮内洋,今尾真弓出版社/メーカー: 北大路書房発売日: 2007/09/01メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 87回この商品を含むブログ (11件) を見る非常に刺激的な問題意識で編集された本である…

若者を見殺しにする国

『論座』への寄稿いらい、非正規雇用労働者の視点にもとづく評論が反響を呼んでいる赤木智弘さんの著書が刊行の運びになったそうです。まだ書店の店頭で手に取ってはいませんが、買うつもりではいます。若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か…

野矢茂樹『大森荘蔵――哲学の見本』

いま読んでいる最中だが、すごく面白い。大森荘蔵 -哲学の見本 (再発見 日本の哲学)作者: 野矢茂樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/10/19メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 7人 クリック: 44回この商品を含むブログ (29件) を見る実は大森の作品を…

「生命」と「誰か」は二律背反なのか?

加藤秀一『「個」からはじめる生命論』をきちんと読んだ。〈個〉からはじめる生命論 (NHKブックス)作者: 加藤秀一出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2007/09/27メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 8人 クリック: 97回この商品を含むブログ (44件) を見る…

荻上チキ「ウェブ炎上――ネット群集の暴走と可能性」

ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性 (ちくま新書)作者: 荻上チキ出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/10/01メディア: 新書購入: 18人 クリック: 298回この商品を含むブログ (169件) を見る トラカレのchikiさんこと、荻上チキのウェブ論が発刊された。…

中島義道『「死」を哲学する』

「死」を哲学する (双書 哲学塾)作者: 中島義道出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/10/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 15回この商品を含むブログ (19件) を見る中島さんの新著を入手した。このシリーズでは、他に、山内志朗の『〈畳長さ〉が大切…

河野哲也『善悪は実在するか』

善悪は実在するか アフォーダンスの倫理学 (講談社選書メチエ)作者: 河野哲也出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/10/11メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 55回この商品を含むブログ (24件) を見る購入してパラパラと見ただけであるが、…

京都大学講義「偏見・差別・人権」を問い直す

京都大学学術出版会の website より。現物は手に取っていないのですが、大学での連続講義が書籍化されているようですね。京都大学学術出版会:京都大学講義「偏見・差別・人権」を問い直す

筑摩書房の新刊(11月)

来月の新刊情報です。注目は、サルトルの『存在と無』の文庫化でしょうか。梅田望夫さんも新著を刊行されるようです。http://www.chikumashobo.co.jp/comingbook/

雨宮処凛『プレカリアート』

雨宮処凛さん、今年いったい何冊出すんだろう、と思いながら今回もまた読んだ。プレカリアート―デジタル日雇い世代の不安な生き方 (新書y)作者: 雨宮処凛出版社/メーカー: 洋泉社発売日: 2007/10メディア: 新書購入: 2人 クリック: 59回この商品を含むブログ…

松浦理英子『犬身』という本

犬身作者: 松浦理英子出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2007/10/05メディア: 単行本 クリック: 33回この商品を含むブログ (108件) を見る異才の小説家、松浦理英子の『犬身』という本が手もとに届いた。帯には「『親指Pの修業時代』から14年。今、新た…

フランス現代思想家関連書籍

まずは、10月6日にドゥルーズ『差異と反復』が文庫になるらしい。『アンチ・オイディプス(上)資本主義と分裂症 (河出文庫)』『意味の論理学〈上〉 (河出文庫)』『フーコー (河出文庫)』などに続いて。文庫化してくれるのは、本が軽くなり電車で読めるので…

秋山駿「内部の人間の犯罪」

内部の人間の犯罪 秋山駿評論集 (講談社文芸文庫)作者: 秋山駿出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/09/11メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 10回この商品を含むブログ (4件) を見る 表題作の「内部の人間の犯罪」は、初出が1967年になっている。文庫版にな…

岩波書店の新刊(10月)

今月の新刊情報です。哲学関係では、中島義道さんの本が出ますね。岩波書店

町田宗鳳・島薗進編『人間改造論』

ここのところkanjinaiさんも論文を書かれているが、「人間の能力や寿命を押し広げる技術をどのように評価すべきか」といういわゆるエンハンスメントの問題がある。これは、このところのエンハンスメントに関する議論について、書籍の形で日本人研究者がこの…

加藤秀一『〈個〉からはじめる生命論』と日本の生命倫理

〈個〉からはじめる生命論 (NHKブックス)作者: 加藤秀一出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2007/09/27メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 8人 クリック: 97回この商品を含むブログ (44件) を見る明治学院大学の社会学者である加藤秀一の新刊が出た。「生…

ヘーゲル『精神現象学』

雑誌『理想』679号が、「ヘーゲル『精神現象学』」という特集を組んでいる。『現代思想』も同じ特集を組んでいたし、やっぱりヘーゲルと言えば、この本でしょうというわけか。冒頭にまたしても加藤尚武の論文がある。「実体−主体説と実体−主語説」。その…

『世界の貧困問題をいかに解決できるか』

世界の貧困問題をいかに解決できるか―「ホワイトバンド」の取り組みを事例として 千葉大学講義録作者: 小林正弥,上村雄彦出版社/メーカー: 現代図書発売日: 2007/06/01メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (1件) を見る千葉大学と「ほっとけ…

筑摩書房の新刊(10月)

10月の新刊案内です。哲学書では、廣松渉『事的世界観への前哨』が文庫化されます。http://www.chikumashobo.co.jp/comingbook/

トランスヒューマニズムの生命倫理

Bioethics誌の最新号に、James Wilson, "Transhumanism and Moral Equality," Bioethics 21-8(2007)pp.419-425という論文が掲載されている。「エンハンスメントによってがんがん個人の能力を増強できるようになったら、非常に不正な社会がくる」というフラン…

光文社古典新訳文庫(10月)

http://www.kotensinyaku.jp/nextnumber/index.html O・ヘンリーの短編集と、修道女フアナの手紙だそうです。ヘンリーの短編は、英語の教科書で採り上げられていた記憶があります。ソル・フアナは、オクタビオ・パスの著書が出ていますね。ソル・フアナ・イ…

岩波書店の新刊(9月)

新刊情報が出ています。哲学関連書も何冊かあります。岩波書店

大塚信一『山口昌男の手紙』に見る知識人の肖像

山口昌男の手紙 文化人類学者と編集者の四十年作者: 大塚信一出版社/メーカー: トランスビュー発売日: 2007/09/04メディア: 単行本 クリック: 19回この商品を含むブログ (17件) を見る岩波書店にて山口昌男の編集者を長く勤め、岩波書店の社長であった著者が…

無限のキャンディーに隠された秘密

無限のスーパーレッスン作者: 木村俊一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/07/18メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 46回この商品を含むブログ (12件) を見る木村俊一『無限のスーパーレッスン』を読んだ。非常に面白い本である。内容は、大学の数学で学…

香西豊子『流通する人体』と膨大な言葉

流通する「人体」―献体・献血・臓器提供の歴史作者: 香西豊子出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2007/07/17メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 62回この商品を含むブログ (21件) を見る訳あって、この本を読んだ。著者は、1973年生まれだから若い世代…

ナノエシックスというものが提唱されている

ユネスコ(UNESCO)から、ナノテクノロジーが生み出す倫理問題についてのハンドブック(勧告)が刊行されたようだ。この分野は、ドレクスラーがナノテクノロジーの概念を提唱したときから、すでに予見されていた。たとえば、空気中に普通にある原子からある種…