三島亜紀子『社会福祉学の〈科学〉性』

もともとは大阪市立大学に提出された修士論文「社会福祉の学問と専門職」*1が題材であるこの本がようやく発刊した。社会福祉という学問、および援助職という専門職がどのように成立し、どのような困難を抱えながら、現在どのようなものとして存在するかについての考察である。この本でも名前が挙げられるミシェル・フーコーの知恵を借りれば、この研究は「社会福祉(学)の考古学」といってもよいだろう。議論の枠組みじたいがフーコーに依拠している、という批判はできようが、それでもこの領域でこうした仕事は皆無であったから、この三島さんの仕事は素晴らしいように個人的には思っている。

(ここでも私は三島さんの仕事に肯定的に言及している。「社会学/社会福祉学/倫理学」。)

*1:リンク先の文章はどうするのだろう?