2007年の3冊
G★RDIASでも、2007年の3冊というエントリーをやってみることになりました(3冊でなくてもOK)。
(1)加藤秀一『〈個〉からはじめる生命論』
- 作者: 加藤秀一
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2007/09/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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荒削りだが、非常に刺激的な本だった。生命倫理に、社会学と哲学から迫るという本。ここで問われているいくつかの問いは、きちんと応答しなくてはならないだろう。こういう仕事をきっかけにして、重要な哲学的な議論が生成していくはずだと思う。加藤さんは生命論からは距離を取るが、私は生命論の中心部から応答したいと思う。
(2)シービンガー『植物と帝国』
- 作者: ロンダシービンガー,Londa Schiebinger,小川眞里子,弓削尚子
- 出版社/メーカー: 工作舎
- 発売日: 2007/05/01
- メディア: 単行本
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科学史の面目躍如といった感じの重厚な研究書。哲学書とは言えないだろうが、こういう作業にも引かれる私がいる。私自身はこういう仕事はけっしてできないがゆえに、あこがれるのかもしれない。単に「××の誕生」みたいなフーコー的科学史をやる人がたくさんいるが、シービンガーのこの本はそういうスタンスから自由であるように見える。
(3)木村俊一『無限のスーパーレッスン』
- 作者: 木村俊一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/07/18
- メディア: 単行本
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数学の啓蒙書としては最高水準の本だと思う。「無限の操作」を有限時間で完了できるというパラダイムに乗ったときに、どのような不思議な光景が現出するのかを、見事に説明できている。私としては、数学の好きな高校生にぜひ読んでほしいと思った。人間の心と権力のどろどろの部分の研究をしていると、こういう世界の清涼感はほんとにうらやましいとか思うなあ。
- 作者: 大澤真幸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/06/29
- メディア: 単行本
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ごめんなさい。まだちゃんと読めていません。けど、この本、これからの各賞をゲットするのではないだろうか。人文社会の今年の最大の話題作でしょう。