野矢茂樹『大森荘蔵――哲学の見本』

いま読んでいる最中だが、すごく面白い。

大森荘蔵 -哲学の見本 (再発見 日本の哲学)

大森荘蔵 -哲学の見本 (再発見 日本の哲学)

実は大森の作品を、恥ずかしながら読んだことがない(著者の野矢さんの本は何冊か読んだが、野矢流大森論とも言えるかも)。「立ち現われ一元論」に至るまでの大森思想の揺れ具合が、手に取るように分かる。以前某所で、eireneさんが『物と心』を紹介されていたが、これはぜひ読まねば、と思った。

私の正直な感想は、大森哲学はフッサールウィトゲンシュタインの合いの子のような感じ。もちろん、そこからこぼれおちるものも多いが、とりあえずそのように感じた。

余談だが、この講談社「再発見 日本の哲学」シリーズは面白い。岩波の哲学塾より面白い*1んじゃないかな。私は以前に

廣松渉-近代の超克 (再発見 日本の哲学)

廣松渉-近代の超克 (再発見 日本の哲学)

を読み、最近ちくま学芸文庫から文庫化されている廣松の著作を読んだりしている。刊行予定で他に私が気になっているのは、有名どころだが、和辻哲郎西田幾多郎である。

(追記)

某所で「合いの子って差別語では」という指摘を受けた。「合いの子 差別語」でググってみましたが、放送禁止用語にはなっているようです。

http://monoroch.net/gallery/kinshi/

ここにも書いていますが、「足して2で割った」ほどの意味です。軽率な物言いをしてしまい、深謝いたします。

*1:誤解のないように書いておくと、4〜5冊は私にとって読まないといけない本はある。