尊厳死とジェンダー

kanjinaiさんのエントリ「女性が安楽死させられる国アメリカ」にコメントを書いたが、本を見つけたので引用。

社会学がわかる。 (アエラムック (12))

社会学がわかる。 (アエラムック (12))

日本尊厳死協会の会員数は一九九二年に三万人を突破したが、注意すべきなのは、女性の会員数が男性の会員数のほぼ倍であるということだ。そうした格差が生まれる理由の一つに、日本で(家族の)看護に当たるのが圧倒的に女性であり、彼女たちは看護の過程で大変な苦労を強いられているという現状があげられよう。(市野川容孝「現代医療と社会学――「生の画一化」にどう立ち向かうか」、p.117)

文献が古い(1996年)ので最新の情報を日本尊厳死協会のHPで調べると、2006年12月末現在で女性が8万人、男性が4万人弱であることが分かる。さらに推移をたどっていくと、女性が男性のほぼ倍という状態のまま増加していることが分かる。アメリカの安楽死だけでなく、日本の尊厳死にもかなりジェンダー要因が見て取れるのではないだろうか。