安倍首相の慰安婦問題への責任と反省とは?

安倍首相がニューズウィークウォール・ストリート・ジャーナルに「慰安婦」問題に関しての「責任」問題を語ったらしい。

毎日新聞による安倍発言の要旨

慰安婦の方々に人間として心から同情する。そういう状況に置かれたことに、日本の首相として大変申し訳なく思う。(軍による狭義の強制性はないとした過去の発言は)私が初めて述べたのでなく、今までの政府見解だ。ここで事実関係を述べることにあまり意味がない。彼女たちが慰安婦として存在しなければならなかった状況に、我々は責任がある。非常に苦しい思いをしたことに責任を感じている。河野洋平官房長官談話を私の内閣は継承している。

ポイントは、日本軍による狭義の強制性についての「事実」や「責任」については何も述べずに、慰安婦として存在しなくてはならなかった「状況」に対する「責任」を述べていることか。政府筋の作文技術はなかなか周到である。

あと、面白いのは各紙の反応、とくに、次の2紙を比べてみよう。

読売新聞
 さらに、「20世紀は人権が世界各地で侵害された世紀で、日本にもその責任があり、例外ではない」と述べ、慰安婦問題を人権問題と位置づけ、日本の責任を明確に認めた。

産経新聞
 一方で、首相は「20世紀は人権が世界各地で侵害された世紀だが、日本も例外ではない」とも述べ、戦時の人権侵害が日本だけの問題ではないことをにじませた。

(^_^)

NewsweekWall Street Journalは読んでみないといけないですね。ウェブに出るかな?

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追記:Newsweek 記事が出ていました(eireneさん情報による)

核心部分は、ここ。

We feel responsible for having forced these women to go through that hardship and pain as comfort women under the circumstances at the time.
http://www.msnbc.msn.com/id/18233740/site/newsweek/page/3/

「当時の状況下において、彼女たちが慰安婦としての苦難と痛みを味わうことを強制したことに対して、われわれは責任を感じます」(仮訳)

日本軍の強制連行については、まったく触れていません。