ロリコン化する社会雑考

以前に、ロリコン化する社会について警鐘を鳴らすエッセイを「朝日新聞」大阪版に書いた。全文は↓で読める。
http://d.hatena.ne.jp/kanjinai/20060121/1175002703

ところが、この「朝日新聞」自体が、ロリコン化を推し進めている感がある。私の記事が載ったすぐあとの新年号の特集「12歳」では、いきなり紗綾を肯定的に紹介(これは朝日新聞東京本社配信の全国版。ちなみに私の上記記事は東京版にアプローチするも掲載されなかった)。

今年の3月には、「朝日新聞」大阪版で、「美少女キャラ 役所も萌え」という記事が掲載された。
http://www.asahi.com/culture/news_culture/OSK200703010061.html

この記事読んでも、なんか「萌え」の肯定面・健康面のみを強調したもので、その裏にへばりついているロリコンペドフィリア的側面への言及がないのは問題じゃないのだろうか。

少女への性的犯罪があるたびに、被害者家族の悲しみと加害者への怒りを大々的に記事にしている新聞が、上記のような脳天気な記事を垂れ流していていいのだろうか?

「萌え」って健康的でいいじゃん!という人は、たとえば、この本の表紙を見てみよう。

萌え経済学

萌え経済学

これは著名な経済評論家、森永卓郎による本である。どうして表紙の少女のスカートが不自然にめくれあがって、白い下着と見紛うものが見えているのか*1。ここにあるものこそが、「萌え」の裏面にあるロリコンペドフィリアの心性であり、その事実はほぼ誰でも知っているはずなのに、マスメディアの場ではみんなでよってたかって、そんなものはないことにしているところのものなのである。

*1:これは錯覚を利用したむしろソフィスティケートされた例であり、もっと普通に直接的なものは、いくらでも探すことができる