もう刑務所には戻さない〜知的障害者・再犯防止の取り組み〜

今晩のクローズアップ現代です。

http://www.nhk.or.jp/gendai/

 知的な障害があるにもかかわらず、福祉の支援を受けないまま社会で孤立し、困窮の中で犯罪に走ってしまう人が少なくないことが、全国の刑務所で明らかになってきている。出所しても孤立した状況に変わりがないため、犯罪を繰り返してしまう実状も分ってきた。この春、法務省が全国15の刑務所で調査したところ、知的障害と疑われる人が400人余、調査の前まで、知的障害であると社会的に認知されてはいなく"埋もれていた人"が殆どだった。平成17年度の新規受刑者の4人に1人近くが、一般より知的レベルが低いIQ相当値が69以下、"埋もれていた人"がこの中に多く含まれているのではないかと考えられている。こうした事態を受け、法務省厚生労働省は、刑務所を出所した知的障害者福祉施設に紹介する新たな取り組みも試験的に始めている。どうすれば知的障害者を再び犯罪に至らせないように支援してゆけるのか。現状と新たな取り組み、その課題を検証する。
(NO.2459)

 関連記事。

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kyousei_news/20070119ik0e.htm
http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000004792

横塚晃一『母よ!殺すな』

いよいよ今月復刊の模様。生活書院から。
http://www.seikatsushoin.com/kinkan/9784903690148.html

日本における障害者解放運動、自立生活運動の内実と方向性を大きく転換させた「青い芝の会」、その実践面・理論面の支柱だった脳性マヒ者、横塚晃一が残した不朽の名著。
1981年すずさわ書店版を底本とし、未収録だった横塚の書き物や発言、映画『さようならCP』シナリオ、追悼文、年表などを大幅に補遺、解説に立岩真也氏を迎え、決定版として、ここに待望の復刊!
「泣きながらでも、親の偏愛をけっ飛ばす」と言い切って自立生活へと向かい、「あってはならない存在」とされることの不合理を身をもって糾し続けて、人々に大きな影響を与えたその思想は、自立の意味が改竄され、市場経済優先主義の中に掠め取られようとする危機にある今こそ、オルタナティブな価値意識の組み替えを目指すテキストとして、読まれなければならない!

若い人、とりわけ若い障害者たちに、青い芝の会はどれだけ知られているのだろうか…。障害者運動の思想は、ここから出発すると言っても過言ではない。福祉制度の貧困な中を戦い続け、「健全者社会」の価値観に真っ向から対抗した彼らの思想は、時代を経た今なお燦然と輝いている。障害者自立支援法尊厳死法が議論される今だからこそ、再び読まれるべき1冊であろう。