横塚晃一『母よ!殺すな』

いよいよ今月復刊の模様。生活書院から。
http://www.seikatsushoin.com/kinkan/9784903690148.html

日本における障害者解放運動、自立生活運動の内実と方向性を大きく転換させた「青い芝の会」、その実践面・理論面の支柱だった脳性マヒ者、横塚晃一が残した不朽の名著。
1981年すずさわ書店版を底本とし、未収録だった横塚の書き物や発言、映画『さようならCP』シナリオ、追悼文、年表などを大幅に補遺、解説に立岩真也氏を迎え、決定版として、ここに待望の復刊!
「泣きながらでも、親の偏愛をけっ飛ばす」と言い切って自立生活へと向かい、「あってはならない存在」とされることの不合理を身をもって糾し続けて、人々に大きな影響を与えたその思想は、自立の意味が改竄され、市場経済優先主義の中に掠め取られようとする危機にある今こそ、オルタナティブな価値意識の組み替えを目指すテキストとして、読まれなければならない!

若い人、とりわけ若い障害者たちに、青い芝の会はどれだけ知られているのだろうか…。障害者運動の思想は、ここから出発すると言っても過言ではない。福祉制度の貧困な中を戦い続け、「健全者社会」の価値観に真っ向から対抗した彼らの思想は、時代を経た今なお燦然と輝いている。障害者自立支援法尊厳死法が議論される今だからこそ、再び読まれるべき1冊であろう。