朝日夕刊に青い芝の会

関西だけの連載かもしれないが、4月23日付朝日新聞の夕刊の連載「ありのまま生きて(6)」に、青い芝の会*1が登場している。副題は、「反差別 過激と言われても」。記事は、7割がた横田弘さん(青い芝神奈川県連合会長)のインタビュー。

青い芝の会は70年代、その「過激」な行動で世に知られる。
70年5月、横浜で30歳の母親が脳性まひの2歳の娘をエプロンのひもで絞め殺す事件が起きた。母親に同情する人たちが減刑嘆願運動を始めた。横田は恐ろしくなった。
減刑になることは、僕たちの存在が、社会で殺してもいいということ。冗談じゃない」(横田(引用者註))

愛と正義も否定、ですか?
「かわいそうだから障害児を殺したほうがいいという、そんな愛ならば、いらない」と横田。

(横田(引用者註))「形の違う者、能力の劣る者を排除しようとするのね。でも絶望的な顔をしないでちょうだい。そういう矛盾を抱えているとわかればいいんだ。ひとり一人が。僕は絶望してませんよ、人間に。絶望してたら、運動なんかしてない」

私見を述べれば、「そういう矛盾を抱えているとわかればいい」だけではない、もう少し進むことができる、と思っている。しかしそれは、横田らの思想を真に受け止めた上で、なお後に続こうとする者たちの仕事だとも思っている。その意味で、青い芝の会の思想は「原石」であると思う。
=参考=

否定されるいのちからの問い―脳性マヒ者として生きて 横田弘対談集

否定されるいのちからの問い―脳性マヒ者として生きて 横田弘対談集

*1:「「踏まれても踏まれても起きあがる芝」から名づけた」とある。