1歳男児から48歳と46歳への腎臓移植

もりけんさんのところのサイトで、15歳未満の子どもからの、心臓停止後の腎臓移植のリストが掲載されている。心臓停止後と言っても、ほとんどは人工呼吸器を付けてほぼ脳死状態で心臓が動いている状態から、呼吸器を切って、心臓が止まるのを確認してから腎臓を摘出するというやり方である。
http://www6.plala.or.jp/brainx/pediatric_harvest.htm#JOT

この一覧表の中には、たとえばこういうケースがある。

 提供元:1歳の男児
 死因:頭部外傷
 提供先:成人48歳男性、成人46歳男性

生まれてきたばかりの1歳の男児が、不運にも頭部外傷を受け、呼吸器を付けられて、心停止に至り、その両方の腎臓が、48歳と46歳の男性に移植されたというわけである。これが、心停止後の腎臓移植というものの現実である。

この移植を受けた48歳と46歳の男性は、自分の腎臓がどこから来たかを知っているであろうか。もし知っていたらそのことをどう思っているだろうか。

私は、6歳未満からの臓器摘出は、本人の意思が不明であるから禁止すべきという立場である。とくに1歳となると、その子には、生まれてきたままの身体で死んで灰になっていく権利があるのではないかと、私は思っている。それを、いい歳した大人が横からかすめとるのはおかしいと思う。

だが、それをおかしいと思わないのが臓器移植という思想であり、それを支える移植のシステムである。日本では、15歳未満は心臓停止まで待つが、米国では1歳の子どもからでも当然のように脳死状態で呼吸器を付けて心臓鼓動状態のまま摘出する。米国ではこのことに対する疑問の声はマスコミには上がらないようになっている。日本でもマスコミにはこのような疑問の声は上がらず(新聞・テレビの上層部が自主規制するから)、したがってこのような声はこういうブログかミニコミ誌か専門書で言うしかなくなる。