ヘーゲル『精神現象学』
雑誌『理想』679号が、「ヘーゲル『精神現象学』」という特集を組んでいる。『現代思想』も同じ特集を組んでいたし、やっぱりヘーゲルと言えば、この本でしょうというわけか。冒頭にまたしても加藤尚武の論文がある。「実体−主体説と実体−主語説」。そのなかに、こういうことが書いてあった。
ヘーゲルのテキストについて、私は次のような特徴を指摘しておいた方がよいのではないかと思う。
公開を想定していないノートでは、比較的無理のすくない叙述がされている。公刊した書物では、故意に難解な記述をして、意味深長な名文句を残そうとしたり、非常にドラマティックな場面設定をしたりするが、そこで示されたモチーフを持続的に展開していくということをしない。(9頁)
ちょっと面白かったので紹介。これはヘーゲル研究者の共通認識なのかな?